オールドレンズという名のファジー感

知人に聞くと、ここ最近では中国やタイ、ベトナムといった東南アジア諸国に急激にフィルム写真ブームが来ているという。


ここ数年、日本や欧米での銀塩文化の再評価という流れがあったが、ここに来て成長著しいアジアが次の銀塩ブームを醸成しつつあるというのだ。


先日行われていた銀座松屋で開催されたクラシックカメラ市も、中国のオトナ買いバイヤーに代わり、タイのバイヤーが前日からスタンバっていたということ。


SNSなどの普及で、ブームに時差が無くなってきた昨今ですが、やはりホンノ少しだけあるのかも知れませんね。


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日本でinstagramを覗いてみると、若いカメラ愛好家たちの間で

「オールドレンズ」

という名の下にデジタルの最新ミラーレス一眼にマウントアダプターをかまし、昔のレンズをつけて撮影を楽しむことが流行ってるみたい。


びっくりしたのがニコンの現行品であるマニュアルレンズですらもオールドレンズと呼んでいる有様。

最新のデジタル用に開発されたレンズではなく、とにかく昔のレンズであればそう呼んでいるらしい。


陶芸家の間で流行った「民藝ブーム」みたいなもので、とりあえず真理はいいのだと。

その時代のノリとセンスでいっちゃうぞっていう、若い人たち特有の元気を垣間見えた気がします。

Kodak Retina IIa

そしてそれに乗っかって商売しようとするオトナたちの思惑も見えたりしてね。

電車の中で座っていた時、砂やホコリで薄汚れた窓辺に逆光気味で朝日が指す状態で外の景色を見たら、今人気の「オールドレンズ」的な写真だとふと思ったわけです。

ノンコートでうっすら曇ってるレンズで朝焼けor夕焼けを撮れば、とりあえず「イイ感じ」な写真になるようです。

Photographer Yu Kamohara

写真家 蒲原 裕 朧写真ライフ 確固たる信念を持ち 表現を曖昧に

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